本科5年生では1年をかけて卒業研究に取り組みます。また、専攻科ではさらに特別研究に取り組みます。メディア情報工学科教員の研究室で扱う分野やテーマの例を紹介します。
姉崎 隆
卒業研究と特別研究の分野
- (1) インフラ構造物点検用自律飛行ロボットシステム
- 飛行ロボットを用いた送電線点検システムの研究に取り組む。単に送電線のみならず、沖縄に多数存在する、道路空中橋梁部分の点検も、送電線点検システムの応用展開先として考えている。
- (2) ドローン統合ナビゲーションシステム
- ドローン自律飛行ロボットの実用化において、GPS自律飛行と非GPS自律飛行を統合した取り組みは少ない。しかし、(1)に記したインフラ構造物点検において、高圧送電線下や道路空中橋梁下側部分のように非GPSのケースは多い。姉崎研では、GPS自律飛行と非GPS自律飛行を統合した取り組みを行っています。
これまでの卒業研究と特別研究のテーマ
- 空中構造物点検用自律飛行ロボットシステムの研究
- 自律飛行ロボットのナビゲーションシステムの研究
- 車輪ロボットを用いた人−機械インタラクションの研究
伊波 靖
卒業研究と特別研究の分野
- (1) Windows系OSにおける不正プログラム検知に関する研究
- ウイルスやワームなどの不正なプログラムの検知に関する研究を行います。この研究では、プログラムがOSの機能を利用するために発行するシステムコールに着目し、プログラムがOS資源へアクセスする際の振る舞いにより不正プログラムと正常なプログラムを識別します。具体的には、Windows系OSにおけるシステムコールの時系列と引数の情報から、統計的、確率的モデルを用いて不正プログラムの検知を行うシステムの研究と開発を行うことを目的とします。
- (2) OpenFlowを用いたネットワークシステム開発に関する研究
- OpenFlowと呼ばれる新しいネットワーク機器制御アーキテクチャーを用いて、新たな管理ツールやセキュリティツールの開発を通してネットワークについて研究します。例えば、トラフィックの内容に応じて動的に帯域制限を行うアプリケーションとか、動的にアクセス制御を行うアクティブファイアウォールなどの開発が出来るかもしれません。何を開発するかは学生のアイディアを基本に考えています。
- (3) ネットワーク侵入検知に関する研究
- ネットワーク上を流れるデータを集合知プログラミングの各種手法を用いて解析することにより、正常なアクセスと異常なアクセスを検知できるシステムについて研究します。これまで、遺伝的アルゴリズムやSVMを用いた研究を行ってきましたので、それをベースに新たな検知技法を研究することを目的とします。
これまでの卒業研究と特別研究のテーマ
- Evasive Malwareに対する回避アプローチのシステム的統括手法
- Windows10環境における機械学習を用いたBitVisorによるマルウェア検知
- HTTP通信に着目した機械学習によるDrive-by Download攻撃検知に関する研究
- 情報流出の低減を目的とした 検疫システムの開発
- マニフェストファイルに着目したマルウェア検知システムのAndroidカーネルへの実装
- プログラムの特徴と振る舞いに基づく異常検知システムの実装
佐藤 尚
卒業研究と特別研究の分野
- (1) 人工生命に関する構成論的研究
- 計算機やその他のシステムを用いて、生命とは何か?生命らしさとは何か?生命的振る舞いとはどのようなものか?などについて、我々の知っている生命(life as we know it)から可能な生命(life as it could be)という対象の枠に広げて生命を追究する。
- (2) 概念・コミュニケーション・言語の起源・進化の問題に関する構成論的研究
- どのような機能を持つ個体たちの間でどのような条件が揃った時に概念や言語やコミュニケーション(の創発に必要なシステム)がどのように創発したのか?またそれ(ら)がどのように発展・進化したのか?などの進化言語学的問題に対してシミュレーション実験やロボット実験などを駆使してその本質に迫る。
これまでの卒業研究と特別研究のテーマ
- 進化言語学(言語・コミュニケーション・概念)に関する研究
- エージェント間における暗示的フィードバックを用いた共有概念の形成
- コミュニケーション創発の解析に向けた衝突回避ゲームにおけるQ学習およびNeural-Q学習エージェントの性能比較(特研)
- 学習エージェントを用いたターンテイキング-ゲームにおける周期構造の獲得
- 人工生命・機械学習・進化論的計算に関する研究
- 学習による戦術的欺きの獲得条件(特研)
- Recurrent SARSA学習における追加学習の有効性の検証
- 生態系の安定性に対する間接相互作用の影響
- ゲーム理論・数理社会学・進化経済学に関する研究
- 情報源の違いによる行動予測への影響
- ネットワーク型囚人のジレンマゲームにおける協調率へのネットワーク構造の影響
- Outwit Gameにおける時系列学習型プレーヤによる市場ダイナミクスの安定化
玉城 龍洋
卒業研究と特別研究の分野
- (1) 交通(歩行者)シミュレーション
- 車両交通の解析では、コンピュータを使って、渋滞現象の解析や交通容量を大きくするための道路ネットワークの形状、その信号制御を検討します。群集行動の解析では、歩行者の行動をモデル化し、渋滞の発生個所や群集の行動パターンから屋内広告の最適配置などを検討します。
- (2) 小中学生向け教育用アプリケーションの開発
- CS-Unpluggedを用いた効果的な学習教材の開発や教育用アプリケーションを制作し、その有用性を実践的に検討します。
これまでの卒業研究と特別研究のテーマ
- 津嘉山バイパスの渋滞緩和効果の検証
- 対話型遺伝的アルゴリズムを用いたマリオAI学習の検討
- 歩行者行動特性を考慮した壁面広告評価モデルの構築
- word2vecを用いた単語間関係の推移分析
バイティガ ザカリ
卒業研究と特別研究の分野
- (1) ロボット工学
- 画像処理工学, ドローン制御
- (2) 企業における生産・データ管理システム開発
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これまでの卒業研究と特別研究のテーマ
- ハフ変換に基づく車線検出と路面工事用ガードマンロボットの検知
- 色を用いたロボットの移動制御
- 顔検出を用いたロボットビジョンの研究
- 顔検出を用いた家庭用警備ロボットの研究
- 赤外線画像処理により本の散らかりぐあいロボットの判断
- 画像処理にもとづきホテル・公的な官庁案内ロボットの研究
- ドローンによる空き駐車場への誘導案内システム
- 大和工業の在庫管理システム及び見積作成ソフトウェアの開発
- 画像処理による災害時の迅速な人体検出
- 無線バーコードリーダーを用いた生産管理システムの構築
金城 篤史
卒業研究と特別研究の分野
- (1) コンピューターネットワークの研究
- インターネットに関わる多くのことを対象に研究を行っています。インターネットに公開するための方法から、インターネットを支える通信の基礎部分まで取り扱っています。
- (2) コンピューターに関わる技術の他分野への応用
- コンピューターやインターネットは様々な分野に必要不可欠な存在となっています。農業や水産分野へ応用しその有用性の検討を行います。