観光・地域共生デザインコース

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2023年、沖縄高専の新たなチャレンジ「観光・地域共生デザインコース」が誕生しました。
専門教育に加え、地域の事を考える教育をしっかりと行うことで、「新たな価値を創造できる人材」を育成します。


今、地域の経済発展と社会的課題解決に向け、柔軟な発想力と実践力を備えた若い人材が求められています。中でも、地域の強みを見出し、それを伸ばし、地域の発展に貢献ため、新たな価値を創造できる人材の排出が、このコースに求められたミッションとなっています。観光・地域共生デザインコースでは、環境技術と情報処理技術を基礎とした工学系の専門知識と広く人文社会系の素養を身につけ、観光資源開発や地域共生システムをデザインできる創造性豊かな人材を育成します。このコースを受講した学生は、自身の専門分野に地域共生デザイン力を組み合わせ、新しい付加価値を創造できる能力を身につけ、沖縄の地域の未来をデザインできるエンジニアを目指します。


▶︎ パンフレットのダウンロードは こちら




 

特色ある科目

数学的思考や情報処理能力と経営企画能力との統合を目指した科目を取り入れています。観光と地域共生システムを環境に調和させつつ構築できるような実践的・創造的技術者を育成します。





 

特色ある教育で身につく力

観光・地域共生デザインコースでは、民間の最先端の現場に立つ講師を招いた授業を取り入れたり、「社会のために何をつくるべきか?」を地域社会と共に考え、取り組む「社会実装教育」を行います。

◆ 身につく力
1 観光・地域共生の視点から、自然・人文科学の基礎知識をもとに論理的に思考できる能力
2 情報技術の基礎知識を備え、ハードウェアとソフトウェア両面から社会問題を解決できる基本技術力
3 経済と経営の基礎知識を理解し、統計やデータ解析を用いて地域課題の解決策をデザインできる能力
4 地域の自然・都市・交通を含めた環境の基礎知識を有し、新たなリソースを発見・提案できる基礎的企画力


 

プロフェッショナルな講師陣

経験豊富な講師から、観光・地域共生に関連するあらゆる分野の基礎を学びます。
 

仲間 祐貴
沖縄工業高等専門学校 メディア情報工学科 講師
情報システム、ファシリティマネジメント
担当科目:都市と観光/地域共生演習

 

沖田 紀子
沖縄工業高等専門学校 生物資源工学科 特命准教授
分子微生物学
担当科目:都市と観光/地域共生演習

 





さらに、あらゆるビジネス領域のトップランナーや沖縄高専のOB・OGをゲスト講師に迎え、より実践的な講義を行います。
 

真嘉比 愛
ちゅらデータ 代表取締役社長
DATUM STUDIO 取締役副社長
沖縄ITイノベーション戦略センター 理事

沖縄高専2期生。大学にて自然言語処理を専攻。
卒業後、広告事業のデータ分析などを経験し、2016年にDATUMSTUDIOに入社。
2017年に沖縄に子会社としてちゅらデータを創業。
自然言語処理、画像解析、異常検知など100社を超えるAI構築のコンサルティング・開発に従事

 

 

 

冷水 晴香
沖縄セルラー電話株式会社 (2020年入社)

沖縄高専13期生。情報通信システム工学科卒業

 

 

 

岩村 俊平
一般財団法人 沖縄県環境科学センター
業務部長 兼 SDGs事業実行班長

岡山県倉敷市生まれ、南城市玉城在住。大学では、環境と防災が調和した未来を創るための基礎を学ぶ。前職では、海域生物と共生する港湾構造物のデザインやサンゴ移植の責任者など、現場の最前線で20年ほど活動する。その後、一般財団法人沖縄県環境科学センターに転職。現職では、持続可能な沖縄社会の発展に少しでも役立ちたいとの思いで、あえてSDGsの専門家を名乗り、環境・福祉・観光など分野をまたがった社会課題に関する活動を地道に行っている。MICE開催におけるサステナビリティガイドライン作成委員会委員(R3)、沖縄県SDGs専門部会委員(R3~)等の活動に携わる。

 

 

兼城 駿一郎
一般社団法人 沖縄スタートアップ支援協会 代表理事
株式会社みらい創造機構MIRAI STUDIO MD /
高専キャリア教育研究所 CTO 
沖縄高専特別顧問 ほか 

沖縄高専専攻科卒(沖縄高専3期生)。リクルートでの新規事業開発・開発組織立ち上げ・ベンチャー買収を経て、SNSデータ分析のスタートアップを設立。その後高専キャリア教育研究所に参画し、技術者・起業家ネットワークを活かしたスタートアップ支援・新規事業開発支援を推進。MIRAI STUDIOではビジネスの成長にコミットするための戦略策定から、プロダクトの開発・リリースまでを一気通貫で支援。



 

地域社会貢献のための「創造研究」

教育の特色の1つである「創造研究」。学科・学年を横断したチームが組まれ、学生各自の問題意識に沿った創造性あふれる課題研究に取り組んでいます。 社会や地域の課題と向き合い、その解決を探る研究もあれば、沖縄観光の魅了・楽しみ方を増幅させるような研究もあったり。 アイデアと工学の力を駆使して、誰かの幸せにつながるような研究が日々行われています。

 

【沖縄の農業×工学】
AIとドローンを用いたパインアップル生育診断技術の開発


昨今では、農業のDXやSDGs達成に向けた取り組みが求められています。
気候変動などへの適応能力向上や生産者からお店への流れの中で廃棄される食糧の削減。
そのような要求に対して、沖縄県農業研究センターではパインアップルの葉長と出蕾日、気温から収穫日と収穫量を予測するモデル式を作成しています。
しかし、それら生育情報は人が手作業で確認する必要があるため、一般農家への普及には至っていません。
そこで、本プロジェクトでは2022年からAIとドローンを用いた生育診断技術の開発に取り組んでいます。

 
 

【産業廃棄物×地域課題×工学】
産廃の有効活用とこども食堂のサポートで誕生した人気商品


現在、沖縄県内のビール会社では年間約119トンもの麦芽粕の産業廃棄が行われています。
また、名護市の貧困率は全国の2倍となっており、食事や学校での活動などが思うようにできない子どもたちがたくさんいます。
この2つの大きな課題を解決するために、こども食堂の子どもたちと麦芽粕を使用した商品開発を行い、誕生したのが「沖縄Tacoスパ」。半年という短い期間で商品化が決定し、イオン名護店でのテスト販売でも目標を大きく超える販売実績を残すことができました。

 
 

【環境整備×工学】
逆転の発想。草を刈らずに除草するロボット「くさからん」


雑草の生い茂った公園でサッカーをしていたある日、
雑草だけが踏み潰されて芝生になっている場所があることに気がつきました。
これを草刈りに応用できないかと考え、開発したのが「くさからん」です。
これは従来の草刈機とは違い、草を刈るのではなくローラーで草を押し潰すことで除草するロボットで、草を集めて捨てる重労働が減り、刈り歯による飛び石や害虫などの危険もなくなります。
すでに、ランダムルートで複数回自動走行する実証実験では、性能は確認済みです。
今後はGPS走行や障害物回避走行など、更なる高機能化を目指します。

 
 

【福祉×工学】
視覚障害者がどこでも安心して歩ける夢の靴「どこ点シューズ」


視覚障害者でも点字ブロックなしで安心して歩くことはできないかという想いから、
点字ブロック再現シューズ「どこ点シューズ」を考案。
これは、スマホで取得した画像から歩道や障害物を検知し、AIが『歩ける』と判断すると靴のソール部分に仮装点字ブロックが実装され、何もない場所でもまるで点字ブロックの上を歩いているかのような感覚が伝わってくるというもの。
現在、どこ点シューズの基本機能は完成しているものの課題はまだあるため、今後は、精度の向上と実験を繰り返し、実用化と起業に向けてチャレンジしていきます。

 
 

【環境問題×工学】
人とロボットが協力し、ゴミを減らせる社会を


マイクロプラスチックが海洋⽣物に与える影響が世界中で問題になっています。
沖縄も決して例外ではありません。市街地から出るたくさんのペットボトルが海に流れ着いているのです。
調査では、清掃費やゴミ箱の不足がその原因と考えられました。
そこで開発したのが次世代型移動式ゴミ箱ロボット「ポントス」。
ポントスは自動走行しながら、画像検出とロボットアームでペットボトルを回収。
さらに、搭載しているカメラから周囲にいる人の年齢や性別を判断し、側面のディスプレイで対象に合った広告を表示します。
広告収入から清掃費を賄うことも考慮し、実用化に向けた開発を進めています。

 
 

【観光×工学】
沖縄のマリンレジャーを安全に楽しむシステムを開発


多様な生物の宝庫である沖縄の美しい海。
ダイビングは沖縄の海洋観光産業にとって重要なアクティビティです。
私たちは、観光客にダイビングを安心して楽しんでもらうためのサポートシステムを考案。
装着しているARゴーグルを陸上センターと無線で接続し、海中の画像を読み込んで魚の名前や安全性について表示します。
また、エアーや心拍の状況、ルート情報などもゴーグルに表示することで、海中でもパニックを起こす危険を減少させます。
画像認識など総合的な動作検証を行い、沖縄の観光発展に役立てられるようなシステムを開発しています。

 
 

【伝統文化×工学】
歌声を『見える化』し、様々な角度から歌を楽しむ


現状のカラオケ採点機能は、楽譜通りのピッチや音の長さの一致度は評価しても、歌唱者が発する声質(響き・音色の豊かさ)を評価するシステムがありません。
そこで、沖縄の古典音楽における熟達した歌い手に共通する歌声の音響特徴を基に、AIを利用した声質の可視化システムを構築。
『見える化』することで、歌声をより幅広く評価できます。
今後は、音楽ゲームの要素を取り入れてユーザーを楽しませる仕組みを検討したり、琉球古典音楽・歌三線といった歌唱を伴う重要無形文化財の継承・復興への活用にも取り組んでいきます。



 

観光・地域共生デザインコースのディプロマポリシー

観光・地域共生デザインコースでは、環境技術と情報処理技術を基礎とした工学系の専門知識と広く人文社会系の素養を身につけ、観光資源開発や地域共生システムをデザインできる創造性豊かな人材を育成します。本校に在籍し、以下の能力を身に付け、所定の単位を修得した学生に対して、卒業を認定します。

修得する能力:
(1)地域の発展のために、必要なデータを収集・分析・活用できる
(2)地域の特長を理解し、伸展させることができる
(3)地域の発展のために、新たなリソースを発掘することができる

 

観光・地域共生デザインコースのカリキュラムポリシー

観光・地域共生デザインコースでは、ディプロマポリシーに掲げる能力を育成するために、以下の科目群を基本科目として用意します。

(1)自然・人文科学に関する一般科目群:国語、英語、社会科学、数学、自然科学、健康科学などを配置する
(2)データの収集・分析・活用のための知識と技術を身につけるために、プログラミング、統計、データ分析、
   データ解析などを配置する
(3)課題解決能力を身につけるために、経営、デザイン、地域環境、経済などを配置する
(4)地域文化を理解するとともに国際力を身につけるために、地域の伝統文化、ビジネス英会話、第二外国語を配置する

 

観光・地域共生デザインコース カリキュラム

下記のカリキュラムに沿って、5年間で観光・地域共生に関連するあらゆる知識を学びます。