沖縄工業高等専門学校 数理・データサイエンス・AI教育プログラム

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概要

私たちの暮らしは今、DX(デジタルトランスフォーメーション)による大きな変革を迎えています。蓄積された膨大なデータ(ビッグデータ)を数理的に解析し新たな知見を導き出す「数理・データサイエンス」、人間の知的な振る舞いをハードウエアやソフトウエアによって模倣する「AI(人工知能)」、互いに深く関係するこれらの学問領域は、DXを支える大きな要素として注目されています。 

「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」は、学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、かつ、数理・データサイエンス・AIを適切に理解し、それを活用する基礎的な能力を育成することを目的として、数理・データサイエンス・AIに関する知識及び技術について体系的な教育を行うものを文部科学大臣が認定及び選定して奨励する制度です。 

沖縄工業高等専門学校は、その教育課程が「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の要件を満たしている事が確認され、令和4年から文部科学大臣より、リテラシーレベルが認定されています。

令和4年度の卒業生から、沖縄高専の卒業要件を満たした学生は、プログラム修了者と認定し、修了証の授与をおこなっています。

*内閣府・文部科学省・経済産業省の推進する教育プログラム(リテラシーレベル)に対応しています。

沖縄工業高等専門学校「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」において身につけられる能力 

沖縄工業高等専門学校の教育課程で学ぶことにより、未来の社会に対応する人材に必要な、数理・データサイエンス・AIに関する基礎的な知識と技術を身につけることができます。 

  • 学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高める
  • 学生の数理・データサイエンス・AIの有効性を理解する
  • 学生の数理・データサイエンス・AIを活用するための基礎的な能力、活用に際しての留意事項、倫理観を育成する

プログラムを構成する科目

以下の表に定める対象科目を全て修得した学生に対して、沖縄工業高等専門学校「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラーレベル)」の終了を認定します。対象科目は、すべて必修科目で構成されているため、各科目の単位を修得することで、認定を得られるプログラムとなっています。

プログラムを構成する科目

機械システム工学科

科目 学年 必修・選択 単位数
情報技術の基礎 1年 必修 3単位
高専セミナー    1年 必修 2単位
線形代数 2年 必修 2単位
微分積分II 3年 必修 2単位
地理学概論 3年 必修 2単位
確率統計 4年 必修 2単位

情報通信システム工学科

科目 学年 必修・選択 単位数
情報技術の基礎 1年 必修 3単位
高専セミナー  1年 必修 2単位
線形代数 2年 必修 2単位
微分積分II 3年 必修 2単位
地理学概論 3年 必修 2単位
確率統計 4年 必修 2単位

メディア情報工学科

科目 学年 必修・選択 単位数
情報技術の基礎 1年 必修 3単位
高専セミナー  1年 必修 2単位
線形代数 2年 必修 2単位
微分積分II 3年 必修 2単位
地理学概論 3年 必修 2単位
確率統計 4年 必修 2単位

生物資源工学科

科目 学年 必修・選択 単位数
情報技術の基礎 1年 <必修 3単位
高専セミナー  1年 必修 2単位
線形代数 2年 必修 2単位
微分積分II 3年 必修 2単位
地理学概論 3年 必修 2単位
確率統計 4年 必修 2単位

プログラムを構成する授業の内容とモデルカリキュラムとの対応

以下の表は、モデルカリキュラムの「導入」、「心得」、「基礎」に相当する科目に対応する授業内容になります。

授業に含まれている
内容・要素
モデル
カリキュラム 
学習内容 授業内容
(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている 導入1-1 社会で起きている変化:情報社会の根幹をなすインターネットにおいて,情報を適切に収集・処理・発信するための
基礎的な知識を学ぶ.(第7回目、第8回目) 
情報技術の基礎

導入1-6

データ・AI利活用の最新動向:身の回りの技術に着目しその進歩・変遷を踏まえた上で,将来の技術には何が求められるかを考察する. (2回目、3回目、4回目) 高専セミナー
(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの 導入1-2 社会で活用されているデータ: 現代社会および情報化社会を概観し、身の回りに様々な種類のデータがあることを学ぶ。また、社会活動におけるデータ重要性や、広範に及ぶ課題解決に対する、データの有効性を学ぶ。地理学概論では、気象統計、人口統計などの実データをもとに、活用方法として、データーの読み方(分類)、データーを元にした予測方法(相関)などを学ぶ。(3回目、17回目から24回目) 地理学概論
導入1-3 データ・AIの活用領域: 情報技術の基礎では、情報やデータの伝達、検索、取得のための強力なツールであるインターネットの仕組みから学ぶ。(11回目から14回目) 情報技術の基礎
(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの 導入1-4 データ・AI利活用のための技術:線形代数では機械学習などに応用される行列操作を学ぶ.(27回目から30回目) 微積分?では、最適化問題の一例として、機械学習に応用される制約条件下での極値の算出手法について学ぶ.(機械システム工学科、情報通信システム工学科:37回目、38回目、メディア情報工学科、生物資源工学科:33回目目、34回目) 線形代数
微積分II
導入1-5 データ・AI利活用の現場:インターネットにおけるデータ利活用の具体例や情報メディアの表現形式・処理技法を
学ぶ.(26回目、27回目)
情報技術の基礎
(4)活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする 心得3-1 データ・AIを扱う上での留意事項:情報セキュリティの必要性、守るべきデータ(個人情報など)、個人情報保護の考え
方について学ぶ。そのうえで、インターネット上での代表的な脅威を知り、データを守るための対策を学ぶ。(9回目)
情報技術の基礎
心得3-2 データを守る上での留意事項:情報セキュリティ、個人情報の保護、データを扱う技術者に求められる倫理、脅威(リス
ク)など、データ・AIを活用する上での留意すべき重要事項を理解し、データ活用の際に必要な原則、法規や倫理について学ぶ。(9回目)
情報技術の基礎
(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの 基礎2-1 データを読む:データのばらつき、代表値、相関、AI技術におけるベイズの定理の重要性などを学び、データの適切な
読解、説明(解釈)、扱う方法についての理解を深める。(3回目、4回目、9回目、15回目)
確率統計
基礎2-2 データを説明する:実データを読み、説明し、扱うための基礎を、課題等を用いて身に着ける。図表を用いたデータの
表現方法、データの集計方法など、データ・情報を適切に扱う(収集・処理・発信する)ための基礎的な知識を、マルチメディア作品の作成を通して学ぶ。(41回目から45回目)
情報技術の基礎
基礎2-3 データを扱う:実データを読み、説明し、扱うための基礎を、課題等を用いて身に着ける。図表を用いたデータの
表現方法、データの集計方法など、データ・情報を適切に扱う(収集・処理・発信する)ための基礎的な知識を、マルチメディア作品の作成を通して学ぶ。(41回目から45回目)
情報技術の基礎

実施体制                                                                        

本教育プログラムの実施体制

委員会等 役割
校長 運営責任者
教務委員会 教育プログラムの改善、修了認定、自己点検、評価
プログラム推進WG 教育プログラムの推進、環境整備

プログラムを推進する体制                            

 本教育プログラムの自己点検・評価は、教務委員会で実施します。令和3年の自己点検・評価結果は、下記のリンクより確認できます。

沖縄工業高等専門学校 数理・データサイエンス・AI教育プログラム  令和3年度自己点検・評価

沖縄工業高等専門学校では、本教育プログラムの質を向上させるための体制を整えています。

本教育プログラムの質を向上させるための体制