校長挨拶

 

 沖縄工業高等専門学校は、平成16年(2004年)に最も新しい国立高専として、辺野古の青い海を臨み、やんばるの森を背にする自然豊かな地に創設されました。校章は、「沖縄本島北部のやんばるの深き緑」と「青き豊かな海」の中にある高専をイメージし、周囲に広がる青い空を円で表現しています。間もなく創立20周年を迎える沖縄高専は、創設以来一貫して『人々に信頼され、開拓精神あふれる技術者』の育成に邁進してまいりました。本校には実験・実習からスタートし、最終的に論理まで理解させる教育方法を基盤とし、最先端の研究・教育設備を駆使して、日本産業のイノベーションをけん引する技術者を育成する未来志向型教育プログラムが整えられています。

 

 高専の魅力は、本科1年次から大学と同質の教育を受けることができる点にあります。専門科目のみならず、一般教養科目を教授する教員の多くが博士の学位を取得した研究者です。それぞれが、自身の専門知識や最先端の研究成果を踏まえた授業を展開します。学生は科学・工学の基礎から、今日、身の回りで起こっている革新的な科学技術、そして将来達成されるであろう未来技術までを抱合した、技術者を目指す者にとってはこの上なく興味深い講義が行われる点が一般的な高等学校とは大きく異なる魅力です。低学年から始まる実験・実習経験を積みながら、高学年では各分野の先端的な研究が卒業研究として実施されます。本校では、航空技術者プログラム、ドローンや水中ロボットの開発、沖縄特産の生物資源を利用した健康食品や医薬品の開発など、独自の取り組みを実施しています。2022年からは、高専機構の「高専発!Society5.0型未来技術人材育成事業(GEAR5.0)」の中核拠点校に選定され、全国高専のライフサイエンス研究のリーダー校としての研究活動が始まっています。沖縄高専の学生が、新型コロナウイルスの遺伝情報や医薬品の機能や安全性にかかわる最先端の実践的な研究を大学等の研究機関と連携しながら行っています。学生はこれらの本科5年間に亘る学習や研究活動に取り組むことで、社会が技術者に求める能力、すなわち自分で課題を発見し、自分で考え、そしてチームを作って行動し、結論まで導く力を身に着けていきます。そして、卒業生は創造的リーダー技術者となって、世界に羽ばたきます。

 

 高専のもう一つの魅力は、卒教後の多彩なキャリアパスにあります。就職を希望する学生はほぼ100%県内外の企業等に就職します。一方、本科卒業後に専攻科に進学することによって、本科5年間で学んだ専門教育とスムースに連結されたより高度な専門技術教育を受けることができます。2年間の専攻科課程修了後は大学の学士(工学)の学位を取得することができます。その後に大学院に進学する学生も数多くいます。また、本科卒業と同時に大学の三年生に編入学することも可能です。高専とはちがった環境で学士取得を目指す学生も数多くいます。

 

 そして今、世界の国々からの「我が国にも高専を」という要望に応え、高専は日本国政府と協力し、高専教育のシステムを「KOSEN」ブランドとして海外に展開する事業をスタートしています。タイに五年一貫教育のKOSENが二校設置されました。本校からも教員がタイに派遣され、タイの技術者教育に貢献しています。本校はタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、台湾などアジアの国々に加え、フィンランドやニュージーランドなどとも連携しており、学生皆さんの海外経験や国際力強化を支援します。

 

 皆さん、沖縄の地で最先端の科学技術を基礎から学び、沖縄や日本、そして世界に貢献できるプロフェショナルを目指しませんか。本校は皆さんの夢をかなえるお手伝いをします。

 

 

          沖縄工業高等専門学校長 佐藤 貴哉