学生の活動
国際シンポジウム KRIS2025にて本校学生2名が優秀発表賞を受賞! Biotechnology分野の賞を独占
2025年8月24日(日)~25日(月)、一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)にて開催された国際シンポジウム「The 2nd Kosen Research International Symposium(KRIS2025)」において、本校から参加した2名の学生が、優秀発表賞(Excellent Presentation Award)に輝きました。
■ バイオテクノロジー分野で高い評価
本シンポジウムは、国立高等専門学校機構の主催により、工学分野の国際的な研究発表および学術交流を目的として開催されました。国内外から多数の研究者が集まる中、学生による発表は計165件(口頭55件、ポスター110件)にのぼりました。その中から厳正な審査を経て選出された「優秀発表賞」はわずか12件。特筆すべきは、Biotechnology(バイオテクノロジー)分野において、沖縄高専が口頭発表・ポスター発表の両部門で賞を独占するという快挙を成し遂げた点です。本校の研究水準の高さと、学生の国際的なプレゼンテーション能力が非常に高く評価されました。
■ 受賞者および研究内容
【優秀発表賞(ポスター発表)】
受賞者: 長野 紘也 さん(創造システム工学専攻2年)
研究指導: 平良 淳誠 教授
テーマ: Attenuation of drug resistance of cancer cells by Nrf2 inhibitor neriifolin under endoplasmic reticulum stress
研究のポイント: オキナワキョウチクトウから分離した強心配糖体ネリフォリンのヒト大腸癌細胞に対するNrf2阻害(抗薬剤耐性)、小胞体ストレス阻害及び糖飢餓作用(代謝機構阻害)による抗腫瘍活性機構解明を進めました。医学・薬学への応用可能性を秘めた独自性の高い研究成果として選出されました。
【優秀発表賞(口頭発表)】
受賞者: 田村 日拡 さん(生物資源工学科5年)
研究指導: 藏屋 英介 技術専門員
テーマ: Calophyllum inophyllum L.: Alternative shikimic acid source plants and supply systems for sustainable resource recycling
研究のポイント: 抗インフルエンザ薬「タミフル」の原料であるシキミ酸は、現在その多くを特定の植物に依存しており、供給の安定化が課題です。本研究では、バイオ燃料資材として注目されるテリハボク(Calophyllum inophyllum)の廃棄部位に高濃度のシキミ酸が含まれることを発見。未利用資源を活用した、持続可能な新しい供給システムの構築を提案し、その実用性と独創性が高く評価されました。
■ 今後の展望
受賞した両名は、質疑応答においても英語で堂々と議論を交わし、審査員からその対応力について称賛を受けました。沖縄高専は今後も、地域資源を活かした最先端のバイオテクノロジー研究を通じ、世界に通用する若手研究者の育成に邁進してまいります。

校長報告の際の記念撮影
左から生物資源工学科 平良 淳誠 嘱託教授、専攻科生物資源工学コース2年長野 絋也さん、鈴木校長、生物資源工学科5年田村 日拡さん、技術支援室 藏屋 技術専門員
最終更新日:2025.12.24